Beyond the Horizon 3-D Matrix 中間決算説明会動画を見て No. 2

3-D Matrix 2020年4月期中間決算説明会動画を見て No. 2 

 

1.2020年4月期第2四半期の業績 

 

【欧州フジフイルム「様」との協業事例】

私はホルダーとして 3-D Matrix と 富士フイルムとの関係は、少なくとも PuraStat の販売に関しては対等であって欲しいと願う立場なのですが、ここまでの FujiFilm Europe の PuraStat 販売に対する積極的な姿勢を見ていますと「様」づけもやむなしと思うようになりました。(笑)

 

自社製品でもない PuraStat の販売のためのトレーニングを、プロの営業マンに対してしっかりと行う機会を設けてくれるというのは、当たり前のように見えてそうではないはずです。実際に販売に携わるのは FujiFilm の契約する営業マンであり、当然ながら報酬などは FujiFilm から支払われるものとなります。この貴重な人的リソースを本気で PuraStat にあてるつもりがなければ、このような Kickoff Meeting など開催するわけがありません。おそらくは、これも 3-D Matrix と FujiFilm Europe の契約の中に含まれてはいたのでしょうが、それでも非常に頼もしい事実であるのは間違いありません。

 

さて、ではまた岡田社長の言葉に注目してみたいと思います。

 

富士フイルムさんは契約上販売できるのは10月からだったが、『ちょうど』10月から販売を開始している」

 

『ちょうど』という言葉は、本格販売の開始を、後へ後へとずらされてしまった某企業に対する思いがつい漏れてしまったのかもしれません。(笑)とはいえ、FuiFilm Europe も製品に対する手ごたえがなければ、契約通りの販売開始とはならなかったはずです。最初の計画通りの販売開始という情報も頼もしいものです。

 

「世界2大消化器学会の一つである UEGW で、FujiFIlm の『巨大なブース』で共同プロモーションを実施し、『200件の新規リード』を獲得できた」

 

「リード」とは「見込み顧客」の事です。実際に注文を行ってくれた顧客というわけではありませんが、単なる冷やかしというわけではなく、取引を開始する見込みのある顧客に対して使う言葉です。特に今回は学会でブースを訪れてくれたリードですから、顧客の側から PuraStat に対して興味を抱いてくれている「インバウンド型」のリードということになり、取引に至る可能性はかなり高いと言えます。

 

また、200件という数字の大きさのインパクトはかなりのものです。

 

「今我々が持っている顧客の6割に相当。全てを顧客化できれば、売上が1.5倍になる。この1.5倍の売り上げを、FujiFilm とタッグを組んで、下期に目指す」

 

ヨーロッパにおける PuraStat の売上は、販売開始以来、常に上半期の売り上げを下半期の売上が大きく上回ってきました。前期のヨーロッパ売上は「上期 74百万円、下期 118百万円」で、1.6倍の増加となっています。今期もこの割合で増加すると皮算用すれば、今期のヨーロッパの売上予想は 約4億2千万円ということになります。

 

これに加えて、今回の新規リードの顧客化が順調に進めば、さらには FujiFilm Europe の持つ内視鏡販売網への売り込みが順調に進めば、5億円強という今期のヨーロッパの売り上げ目標は十分に達成できると思われます。個人的には数字の上振れすら期待しています。

 

【UEGW(欧州消化器病週間)におけるPuraStat セッション】

 

「3-D Matrix 独自のシンポジウムで、参加ドクターの人数は昨年の 3~40人から 130人へと大きく上昇した。自社の体制強化と FujiFilm の企業力によるものである」

「130人の内80%は PuraStat 未使用者であり、ここから顧客の純増が見込める。またフォローアップの結果、そのほぼ全員が PuraStat の使用を希望している。高い成功率が見込める」

「成功の見込みが出ているイギリス、ドイツ以外のヨーロッパ諸国から多数のドクターが参加した。3-D Matrix としては、英独の成功事例を他国に横展開するための最初の足掛かりとなる」

 

あの広い会場が一杯になるほどのドクターが詰めかけていた写真を見て、かなりの人数だとは思っていましたが、130人というのは嬉しい数字です。社長は「富士フイルムのコーポレートパワーのおかげだ」と謙遜していましたが、それだけでは決してないと思います。

大きな学会では、毎日のようにあちこちで大手企業によるブレックファスト、またはランチシンポジウムが開催されます。その中で、まだまだ無名のバイオベンチャーである3-D Matrix のシンポジウムに足を運ばせるには、スピーカーの知名度だけでは困難です。そこで紹介される製品そのものにアピールするものがなければ、こうはならないと思います。

 

それに、ヨーロッパ最大の学会であり、ヨーロッパ全域からドクターが参加するという機会を十分に利用できたのは、本当に幸いな事でした。おそらくは先ほどの FujiFilm でのブースで獲得したリードと、この100名(130×0.8)前後のドクターの多くは重複しているのでしょうが、それでもこれは間違いなくフランスを始めとする、まだまだ手つかずの大きな市場を開拓するきっかけとなるはずです。それを FujiFilm とタッグを組んで販売活動をかけることができれば。売上の加速は間違いのないものとなるでしょう。

 

「当然ですが、FujiFilm に全てを任せるのではなく、3-D Matrix の人員が直接フォローアップし、最短での顧客化を図るべく、鋭意活動を進めている」

 

いいですね。やる気を感じます。(笑)

 

 いや書きたいことが多すぎます。開発パイプラインについてはページを改めたいと思います。